風見鶏の独り言

日常の雑事を発信

空腹のすすめ 飽食と断食のせめぎ合い  空腹きつねと満腹たぬき

飽食の時代と言われています。
巷には食べ物が溢れ、金さえ出せば好きなものを好きなだけ
食べることができます。
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満腹でゲップ。大きく膨らんだ腹をさする姿。
挙句の果てにブクブク太って、ダイエットに夢中になっている女性を
みるとなんだか哀れに思えます。
当たり前のように食べることに不自由はしません。
今は良い世の中です。
戦争体験者に言わせれば、戦時中は食べ物がなくて芋のツルまで
食べたという話をきいたことがります。
今の人は幸せだよ。
腹さえ満たせば幸福感を味わえる。多くの人がそう思っています。
果たしてそうでしょうか、一瞬考えることがあります。
”大食い選手権”というテレビ番組があります。
大口開け、目を白黒させて食べ物を頬張る姿を見ていると、
なんだか悲しくもなり、腹もたちます。
世界には飢餓で命を落とす人がたくさんいます。
食えないのです。食料がないのです。
そんな人達が居ることを思えば
こんなアホみたいな番組なんてつくれないとおもいますが・・・。
日本では本来食べられる、いわゆる「食品ロス」の廃棄物が
年間500~800万トンもあるらしいです。
驚くべき数字です。
たまたま空腹という文献を目にしました。
「空腹」こそ長寿と健康のカギ
食べすぎを防ぎ、健康や若さを維持する、シンプルな方法。
それは、「ものを食べない時間(空腹の時間)を作ること」です。「プチ断食」
といってもいいかもしれません。
近年、アメリカの医学界では、空腹(断食)と健康に関する研究がさかんに進められ、
その結果、断食が体重や体脂肪の減少につながること、そして、糖尿病、悪性腫瘍(がん)、
心血管疾患(心筋梗塞狭心症など)、神経変性疾患アルツハイマー認知症やパーキンソン
病など)などの予防に効果があることが分かってきました。
プチ断食をすると、どのような効果が得られるのか、体に何が起こっているのかをみていきましょう。
実は、断食実行中、体の中では3つの奇跡が起きているのです。
医学的理由
内臓の働きを復活させ、活性酸素の害から体を守る。
一日3食とったり、食べすぎたりすると、前に食べたものを消化している内蔵は疲弊してしまいます。
プチ断食を行い、まとまった「空腹の時間」を作ると、まず、内臓の働きがよくなります。
まとまった「空腹の時間」を作れば、内臓は十分に休むことができます。
「空腹の時間」のあいだ、体は、外部から糖質を補給できません。そこで、まず肝臓に
蓄えられたグリコーゲンを利用して、エネルギーを作ります。
して、「空腹の時間」が10時間ほど続くと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが尽き、
体は脂肪を分解して、エネルギー源に変えようとします。
つまり、空腹の時間が長くなればなるほど、体内の余計な脂肪が分解され、減っていくのです。
特に内臓脂肪は、皮下脂肪に比べて落ちやすいという特徴があります。
プチ断食で「空腹の時間」を作り、内蔵を休ませてあげると、血液や血管の状態が改善されて
血流が良くなります。
高血圧や血行不良にともなう体調不良も軽減されるはずですし、がん、糖尿病、動脈硬化、心疾患、
脳血管疾患といった生活習慣病のリスクを、かなり減らすことができるのです。
                                   青木 厚(医学博士)