お風呂天国 いい湯だなぁ 男のシチュエーヨン
僕はどっちかと言うと風呂はあまり好きではないが、知人にむやみと風呂が好きな男がいる。
朝、昼、晩、と毎日自宅の浴槽につかっている。質し、本人曰く”カラスの行水”だとか。
それにしても毎日はいるための服の着替えとかの労力と時間を考えると、あまり合理的とは言えないような気がする。
だからだろう、彼の顔ツヤはいつもピカピカしているのだ。職業柄そうせずにはいられない事情があるのは、
彼がスナックを経営しているからである。
そこそこ流行っている。客商売ゆえの身だしなみである。女房はいない。身軽な五十半ばの独身貴族だ。
バツ一かい。僕は一度訊いたことがあるが、ニヤーっと笑うだけで返答なし。女の噂も聞いたことがない。
噂ではこの商売に入る前は、高校の数学の教師だったとか。時々小難しいことを言うのもそのせいだろう。
どことなく秘密のあるような男だが、妙に人を惹きつけるところがある。今度、酔ったついでに客人の前で、
他の客には内緒にしているが、この男風呂中毒だよ、言ってやろうと思う。
“密かに憧れている彼女とのお風呂でのシチュエーション”について、この男には関係ないと思うが、
世の男性たちはどう思っているのか。
ある調査によると以下の通り。
着替えが用意されている
「彼女の家に遊びに行って、お風呂に入ることもあるじゃないですか。そこで、お風呂からあがったときに、着替えとか用意されていると嬉しいですよね。
入っている最中に、“タオルと着替え置いといたから~”なんて、声をかけられるシチュエーションに憧れます」シュウヘイ(仮名)/30歳
頭を洗ってもらう
「美容室に行くと、髪を切ったあとに頭を洗ってもらえるじゃないですか。あれがすごく気持ち良くて好きなんです。
だから、彼女に洗ってもらいたいと思うんですけど……。なかなか頼みづらいです」レイヤ(仮名)/26歳
ゆっくり浸かって温泉気分に
そのため、できれば2人でゆっくり浸かって、温泉気分でも味わいたいですね。お酒なんかを持ち込んで、一緒に飲んだりするのも憧れます」タカシ(仮名)/29歳
出てきたところでバッタリ
「ドラマのワンシーンとかでよく見かける、ちょうどお風呂から出たところで、女性とバッタリ会うようなシチュエーションに憧れるんですよね。
そのとき、女性が“キャッ!”なんて声を上げて、目を隠すような仕草をしたら、思わずキュンとしてしまうと思います」カズトシ(仮名)/34歳
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文・塚田牧夫