風見鶏の独り言

日常の雑事を発信

ゴミ屋敷の住人 目的のない生活 望みのない人生 捨てられない足かせ

私の住宅区内に住む70代の未亡人の平家の中はゴミ屋敷である。
しかし、一人をのぞいて、誰も見た者はいないようである。
ゴミ.PNGseikatsusougou.co.jp
その一人と言うのが近所でも有名なおしゃべり婆さんである。
たまたま、家の裏から偶然に覗いてわかったらしいのである。
ゴミの山が家の中だけならまだしも、最近は道路にまではみ出しているから始末におえないのだ。
ビニール袋の中は掃除のクズがほとんど。他に紙くず、新聞紙の類である。、
最近はその量も多くなってきている。本人はそれでも気がひけるのか、さすがに生ごみはない。
もう何年も前から、近隣住人が本人にゴミの撤去を申し入れをしているが、本人は一向に耳を貸さない。
みんなで手分けして掃除を手伝うからといっても、無視する。火事が怖いのだ。
ゴミと言えども他人が勝手に撤去することはできないらしい。一応、個人の財産にあたるとか。法に触れるらしいのだ。
役所にも相談したがのレンに腕押し。
本人は3日に一度位のペースで、スーパーに買い物にいくくらいで、近所付き合いは皆無である。
月に一度の道路の清掃にも顔を出さない。
亭主は早世でその後この地に引っ越してきた。十五年くらいになる。子供はいない。、
二ヶ月に一度の自治会費の徴収には会長自身が赴いている。
変人と言えば変人だが、合って話をすると別に変わった受け答えをするようなことはなく、普通の老人とあまり変わりはないというのがもっぱらの噂。
ほとほと困っていたある日、たまたま訪ってきた市の福祉課の人間がいくらノックをしても応答がないので、自治会長に相談。
やってきた会長が裏の窓ガラスを破り中に入ってみて、トイレで倒れている本人を発見したのである。
すぐ救急車で運ばれたが、会長曰く。
侵入した部屋からトイレにいくまでの部屋の中の散らかりように驚いた、衣類、布団、無数の紙くずがやまとなし、それは酷いものだ。足の踏み場もなかった。
鬼の首でもとったかのように、とくとくと話した。
二、三日して、本人はなに食わぬ顔で帰宅してきた。
どこも悪くなかったようであった。相変わらずのマイペースの生活。
近隣住民はお手上げの状態。どうしようもない。
こんな話がある。
例えば雪のアルプスに登ることが目的だとする。たくさんの荷物を持っていく人はいない。
余計なものは皆捨てて、必要最小限の荷物にして、登りだす。それは目的がハッキリとしているからである。
逆にいえば、目的のない人ほど、欲を捨てられないのではないだろうか。
生きる目的がないから、ゴミを捨てられないのではないのだろうか。
つまり、ゴミ屋敷の未亡人は最早、生きる目的も、望みも無くしているのだろか。
だから、”世捨てびと”のような生活を送っているのかも知れないのだ。
今、彼女が生きることに疲れていて、それでも、余生が健康で幸せになりたいと思うのであれば、
そして、「自分の今までの生き方は間違ってたのではないか?」と考えさえしてくれれば、本人も近隣住民も幸せになれる筈だが・・・。
ぷるぷる保湿