難破船 針路不明 漂流 漂着
コロナ感染者が増え続けている。
特に大阪はひどい。連日の千人超えだ。特に大阪在住の私は気がかりで仕方がない。
先日も近所の誰それさんが濃厚接触者だという噂がたったばかりである。いよいよコロナがそこまで押し寄せて来たかと身構えた。
だいたい、先の非常事態宣言を解除したのが早かったからだという意見もあったが、知事はそのことには一切触れず、指摘した人間をテレビで終始罵倒していたのを覚えている。
この人いったいなにを考えているのだろうと、一瞬訝ったくらいだ。
それはともかく、コロナで陽性になったにも関わらず、受け入れ先がないことを理由に自宅待機していた女性が亡くなったのである。30歳前後の若い将来のある女性だ。
このことを地方の為政者はどう思っているのだろう。
大阪府は22日、確保している重症者向け病床の使用率が100%に達したと発表した。
特に待ったなしの状況となっているのが大阪だ。府内の重症病床は満床状態が続き、
軽症・中等症病床も実質的な使用率は85%を上回る。
自宅療養者は約9200人に上り、療養先調整中の患者も2900人を突破。感染者の急増に病床運用が追い付かず、救急搬送までに7時間待ちのケースもあるという。
こうした状況に対し、府民から「いっつもテレビに出とって何してんねん」と怒りの声が上がっているのが、吉村知事のテレビ行脚だ。
連日のようにテレビに出演し、神妙な顔で府内のコロナの感染状況を説明するものの、感染防止のための具体策が見えてこないからだという。
「なんかテレビ見とっても、評論家みたいなことば~かりいうて。知事でなくて、コメンテーターにでもなったんとちゃうか」(府民のひとり)
辛辣な意見を述べるのも無理はない。
”療養先調整中の患者も2900人を突破”とはなんたることか。
先手先手と手を打っておけば、こんな悲惨なことにはならなのではなかろうか。
言いたいことはまだある。
ワクチンだ。
日本はワクチン貧国と世界から笑い者らしい。最下位を低迷している。まったくもって恥ずかしい限りである。
接種時期が当初の予定よりも随分とずれているではないか。
菅総理は今秋には国民全員に行き渡ると胸をはっていたが、そんな話なんか信じる日本人は一人もいまい。
政治の劣化以外のなにものでもないと思うが、わたしの思い違いであろうか。
もうええかげんにせんかい、怒鳴りたくなる。
今夕、何回目かの事情事態宣言うぃ発出するらしい。飲食店の酒類販売が禁止になるらしい。古きアメリカのカポネ時代の禁酒法を彷彿とさせる所業だ。飲食店や酒類販売業者は悲鳴をあげていた。
文字通り死活問題である。なんとも身につまされる。
我々日本人は今、難破船に乗っているのと同じはでないか。為す術もなく大波に翻弄されているのだ。いつ、どこに漂着するかわからない不安と焦燥にかられているにひとしい。
針路をはっきりと示さない船長をそれでも頼らざるを得ない心細さ。
誰か特効薬でも作らないか。眼の前がいっぺんにパーッと明るくなるのになぁ。
そんな夢みたいなことを考える春の夕刻である。
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