風見鶏の独り言

日常の雑事を発信

恐怖 畜生の勘 屠殺場

4239054_s.jpg
今は殆と言っていいくらい野良犬を見かけなくなりました。
 
私の故郷では、何年か前までは町を徘徊している姿をよく見かけたものです。何匹かが群れになっていようものなら、思わず足が止まりその場に立ちすくんでしまったものです。
 
野犬刈りの男も野良犬を探してよく町のなかを歩いていたのを覚えています。
 
捕獲した何匹かの野犬を役場の裏庭に引っ張って来て、その犬の眉間に
鉄の棒を振り下ろして一瞬で殺していたのを今でも鮮明に覚えています。
 
おぞましい光景でした。犬嫌いの私はそのとき、恐怖すら覚えたものです。
 
私は犬がトラウマなんです。
 
というのも、むかし田舎で洋品店で飼っている大きな犬に追っかけられ、
右の手首を噛まれたのです。
 
それから犬恐怖症になりました。成人しても犬が怖いのです。
 
ついこの間までその傷跡が薄っすらと残っていました。
 
私の父や先年亡くなった末弟は大の動物好きで、秋田犬を三匹も檻にいれて飼っていました。
 
その牛のように大きな秋田犬を散歩に連れ出す役目を父に告げられて、
学校から帰ると、毎日恐る恐る連れ出すのが嫌な日課となりました。。
 
よその家の犬だったら絶対できないことです。
 
犬にも感性があるように思います。役場の裏庭に引っ張ってこられた犬の表情は、なんとも言えない悲哀にみちた、しょんぼりした姿でした。
 
現在の日本では、捨てられた犬や野犬など、そのまま引き取り手のない犬は殺処分対象となってしまいます。
 
その数、なんと1年間で約7,000頭。1日あたり20頭以上の犬が、狭くて暗いガス室へ追いやられ、窒息死させられていることになるそうです。
 
まずは動物愛護センターなどで保護され、迷い犬であれば元の飼い主、
捨て犬や野犬は他の飼い主など引き取り手がいない場合にその対象となるそうです。
 
なぜ飼い主は犬を捨ててしまうのでしょうか。
 
運良く助けられた犬のなかには、今では災害時の救助犬として活躍している犬もいるそうです。
 
飼い主の身勝手な理由で捨てられた犬たちは、今日にも殺処分によって命を奪われているのです。
 
犬恐怖症、犬嫌いの私でも複雑な気持ちになります