富士山 情熱と静寂 ふたつの顔
ヤクザの世界から足を洗って、画家を志している男の個展に友人とふたりでいきました。
眉間に縦に走った傷跡があり、一瞬その男の壮絶な過去を思い知らされました。
ところが笑顔は柔和で、その筋の世界にいた人間には到底見えませんでした。
題材は何故か”富士山”ばかりです。
それも赤一色で描いた富士山ばかりなのです。
いずれも同じ方向から描いたものでしたが、一点として同じ色使いはありませんでした。
絵の一枚一枚をじっとみていると、
不思議なもので妙に惹きつけられました。
どの絵もその絵から湧き出て来る様々な赤い力を感じ取りました。
ふつふつと地の底から吹き出る情熱的な力です。
個展会場に展示されて十数点の絵は、この絵を書いた”ヤクザ”あがりの男の
心からの叫び声のような気がしました。
この絵と全く対象的な富士山の絵を今日ネットでみつけました。
実は写真だそうです。まるで水墨画です。
静寂さのなかに佇む富士山は神秘的でさえあります。
赤い富士山は人間を弾き飛ばすような勢いのある絵ですが、
この水墨画と見紛う富士山は人間を深淵の縁へ引き込まれるような絵です。
(画像は_deepsky@_deepskyyさん提供)
そんな富士山の写真がツイッターで話題となっている、そうです。
「</span></strong>富士山に積もる雪の白と、鳥居の赤が目をひく、とても美しい写真である。
山頂にかかった雲も、すっと筆をひいたようでまた趣深い。
まるで水墨画と見間違ってしまいそうです。
この写真は東京都在住の写真家で普段はインスタグラムをメインに活動している
「_deepsky」さんは2021年2月13日にツイッターにこの写真を投稿したものです。
撮影したときの状況について
「もともと富士山と鳥居と船を狙って撮影に行きました。
最初は富士が雲で隠れていましたが、見えるまで粘って撮影しました。
なので少し暗くなってしまいました」
と説明する。
なお、写真はライトルームというソフトで色味を少し編集しているそうです。」