風見鶏の独り言

日常の雑事を発信

花咲か爺さん 花咲かず 男やもめにゃ蛆が湧く

男は女房が先に死ぬとその後、どうも腑抜けになるらしい
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それまではすべて女房任せ。
食事の用意なんてできるわけがないのだ。
水をやかんに入れるのが精一杯。
やっとこさ、インスタントラーメンが作れるくらいだ。
後はスーパーで出来合いの弁当を買って腹を満たす。
ひとり、寂しく無言で口に入れる。
あぁー、あいつが生きている頃はよくもまぁぶつぶつ料理に文句を言ったものだが、
悪いことを言ったなぁ、思わず鼻がつんとなる。
喉に流し込むビールの味は塩の味。飲めるわけがない。
仕方なくテレビの馬鹿番組でも観て寝るか・・・。
以来、
身につけるものはだらしなく、家の中はガラクタで埋まる。
さらに台所は鍋釜、食器の散乱状態である。
どうでもいいや、すべからく投げやりになる。
だから男やもめにはうじが湧くと言われる由縁なのである。
臭くて近寄る女性なんている訳がない。
こっちから近づく覇気もない。
その点、女性は違う
旦那が死んだ後の女房の変わりようには目を見張るものがある。
第一、身なりからして一変するのだ。若かりしころの派手な洋服を出して
鏡に写してうっとり。
化粧も濃くなった。見違えるほどだ。魅惑の香水の匂いに思わず顔が火照る。
唇に紅をひくなんて何年ぶりかしら。
まだまだ、私もすてたもんじゃないわ。
旦那の世話で右往左往していたころの世帯やつれした自分はもうここにはいない。
さぁ、戦闘開始。
後は振り向いてくれる男がいるかどうかの問題。
科をつくって、はにかんで、若作りを装うだけ。
言い寄る男がやっと来た。
胸踊らせて食事して、お酒をのんで打ち解けた。
後はお決まりのコースだが、よくよく見ればこのおっさん。
頭に毛無し、歯抜け爺。
いやだよ、こんなん、わたしのプライドが許さない。
さっさと食い逃げ逃げるが勝ち。