風見鶏の独り言

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小よく大を制す 大よく大言壮語 負け犬の遠吠え

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夢中でサケの死骸を食べるオジロワシにカラスが忍び寄る=2021年4月2日、北海道網走市網走湖、神村正史撮影                 
 
「うまそうだなぁ~」というカラスの声が聞こえそう。
 
北海道東部の網走湖網走市大空町)の氷上で、サケの死骸をめぐり、
オジロワシとカラスがにらみ合いをしていた。
 
カラスはオジロワシからサケを横取りしようと少しずつワシに接近。
  
これに対し、ワシは獲物を奪われまいと両脚でサケを押さえつけ、鋭い眼光と
太いくちばしでカラスを威嚇する。
   
ワシが川底からサケを引き揚げたとみられ、当初はワシが独占してほおばっていた。
 
ところが1羽のカラスが「うまそうだなぁ~」と言わんばかりに、ワシに接近した。
 
このワシは、くちばしや尾の色などからまだ幼鳥とみられる。
 
しかし、近い将来、翼を広げると2メートル以上もある「空の王者」となる国の
天然記念物だ。幼鳥でもカラスの2倍ほどの大きさはある。
 
カラスに気づいたワシは、「近づくな」とばかりに鋭い眼光でカラスをにらみつける。
 
カラスは一瞬、動きを止めたが、今度は姿勢を低くして近づき、「ちょっとだけでも、くれんカァ~」とばかりに、片脚を少しずつ伸ばした。
 
ワシは奪われまいと両脚でサケを押さえつけ、今度は太いクチバシをカラスに向けて威嚇した。さすがにカラスはひるんだ。
 
しかし、次の瞬間、近くにいたカラスが1羽、また1羽と加勢してきた。
 
カラス数羽に取り囲まれる格好になったワシは、落ち着かないのか、嫌がるそぶりを見せ、サケを置いて数十メートル以上先へ飛び去ってしまった。
   
ワシからサケを横取りしたカラスたちは、「どや顔」でサケをむさぼる。
 
ワシはまだサケに未練があるのだろう。遠くの氷上から、じっとその様子を見つめていた。
「ぼくのサケだったのに……」
 
オジロワシは精悍(せいかん)な顔つきと大きな体の割に、臆病で神経質なところがある。  
                          <(神村正史)朝日新聞社
よくよく考えると、人間社会にも似てるところがある。
 
為政者がたてた政策とか施策を他人から突っ込まれると、その政策論争より、
突っ込んだ相手の個人攻撃に終始することがある。
 
たまたま、そういう場面を過日テレビで観ることができた。
 
コロナ対策が失敗だったのではないか、責任をとるべきだと指摘されたある政党の幹部が、指摘をした相手を罵詈雑言、悪態の限りを口角泡を飛ばすごとく、喋っていたのを思い出した。
 
そこには政策に対する釈明、論評もなくただ相手を攻撃することに夢中になっている醜い姿だけがテレビに映し出されて居るのを観て愕然とした。
 
為政者に限らず、権力者は批判、反論がなければ得てして大言壮語するものだ。
 
いったん突っ込まれると豹変する。まともに反論できない負け犬でしかない。
 
小さい力でも結集すれば大を制することができる。いい気になって大言壮語していた輩も所詮は臆病者なのだ。と僕は思う。